
2023年の日本の介護は翌年2024年の介護・診療・障害者の制度と報酬の同時改定の議論が丸一年かけて年末までにまとめられる重要な年になります。
ちょうど我々50代60代の「まだ介護のお世話になはならないのよ」という壁ぎわ世代がこの先25年の介護のあり方の「原点年」にもなるので、いつもよりも介護のニュースには自分事として気をつけておきたいです。特に以下の点にご注目ください。
1 これまで貰えていたはずの介護保険対象の水準が上がってしまう
2 これまで払わなくてもよかった介護保険負担額が上がってしまう
3 マイナンバー制度の本格化で医療介護栄養運動薬等の健康情報がデータ一元化(科学化)
4 これまで認められていなかった介護の新サービスが生まれる
介護保険制度は今年23歳になります。かつては「家族以外の他人に家に入られて親の面倒みられるなんて恥」という固定観念がなくなりつつあり(田舎に行けばまだ残っていますが)、都会では「介護は国民の権利」「せっかく国からもらえるサービスはどんどん受けなきゃ損」ということで、「できないことのお世話」「お世話に疲れ切った家族の休暇の時間」という常識に成長してきました。ということで、2023年からは介護を受けられる敷居が高くなり、医療依存度の高い「重度者」や、介護の面倒みる人が周囲にいないなどの「生活困窮者層」と極端に分けられ、これまでの「介護を受けたい」中間所得層や「まだ動ける」中途半端に元気な層が「介護が受けられない」と路頭に迷ってしまう時代がきます。ある意味、その敷居が高くなることはかつて介護制度がなかった時代(2000年以前)に逆行していると言っても過言ではないと言えます。これは困ったものです。ただし、同時に日本は先進国ではまれでもある「人口減少国家」でもあるため、他国以上にいわゆる「AI導入」が急がれています。遅れていた「マイナンバー制度」もやっと定着してくるでしょう。それによって介護・医療・栄養・運動・薬等の健康情報のデータ一元管理され、介護を受けたい中間層が路頭に迷わないようにさまざまな書類や情報へ応用され、「元気高齢者」をたくさん育てる方向に日本は指針を示しています。そんな中で、同じく路頭に迷いそうなデイサービスも新しい「介護新サービス」として、新しい社会資源として役割を与えられることでしょう。かつてのデイサービスのイメージが一新されつつあります。国の指針とは以下の通りです。
1 訪問介護とデイサービスを連続して使える複合型サービス
2 お仕事感覚でバイトできる(お金稼ぐことができる)デイサービス
3 短時間で「午前中だけ」や「午後だけ」と試食感覚の体験型デイサービス
4 スタッフが法人という垣根を取っ払ってUberEats並みに自由に行き来できるデイサービス
つまり、この23年でイメージがついた「介護を受ける権利」という時代から「介護Re-born」へ。まだサービスを提供している側である我々50代60代がリアルに高齢者になるこの10年20年でエンタメ要素の強い介護サービスが国の指針とともに生まれることに期待したいです。国は、そのきっかけとして、事業所の報酬ツールとして「排泄支援加算」「自立支援加算」等の要介護者個人の尊厳を重視したハードルの高い報酬ツールも設定してくれています。その期待に事業所側はなかなか難しいのですが、それに挑戦する事業所がどんどん出てくることに期待したいと思います。
国と事業所、国と我々50代60代、国と要介護者、それと周辺の関係各位医療、栄養、運動、薬。どれも悠長な時間はありません。気を抜かず2023年をスタートさせたいと思います。今年の一文字はreborn。「再生」の「再」で行きましょう!やり直しのできる世の中って素敵ですよね!(週刊NY生活2023年1月1日895号)
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