問われる介護先進国日本

アメリカもそうだと思いますが、ワールドベースボールクラッシック盛り上がってますねえ。日本の圧倒的強さが光るこの大会(3/11時点)。いつも「奇跡」とか「下剋上」というワードで2歩も3歩も引いて挑むことが多いここ最近の日本のあらゆる場面で、この「圧倒的」な強さは春のポカポカ感と咲き始めたサクラと「脱マスク」で開放感に浸って清々しいことこの上ありません。という現在の心境です。
そんなスポーツというと「強さ、速さ、技」の優劣が勝敗を分けると思う人も多いかもしれませんが、スポーツにはそれ以上の「知能と準備」がそれらを上回るのです。(参考:大谷翔平マンダラチャートより)それは介護のプロの世界でも同じです(勝敗を分ける競技ではありませんが)。介護は、優しさと奉仕の心で成り立っていると思われがちですが、「インテーク」や「アセスメント」にその方の要介護の前までの人生、生き様や経験を理解するナラティブという準備とそれを生かす知能を重視する向きもあります。一番いけない介護が、目の前で起きていることだけ解決する対処法と技術だけによる自己満介護です。よく言われる美辞麗句が「私は利用者様の笑顔・ありがとうの言葉が仕事のやりがいなんです」という一見綺麗に見えるが、全くのNGワード。毎日「ありがとうを言わされる利用者」は笑顔と感謝がないとやる気にならない職員へ気を使いすぎてしまうある種の「犠牲者」でもあると私は思います。そんな捻じ曲がったやりがいしか持てない職員はとっとと出て行ってもらってもいいでしょう。正しい介護は利用者に気づかれないように事前に察して、自然に気持ち良くさせることです。そのための「知能と準備」であり、それがあって初めて「合理性」が加わるというものです。新人や見習いの時は「若いくせに合理性を重視するな」とか「無駄という非合理性がその人の伸び代を強化する」等、合理性を否定されて日本人は生きてきたはずです。確かに「合理性だけで生きていると予測できない非常時の対応ができない」と言われることも当然だと思います。
特に、介護は生産的な活動だとは思われていません。介護の必要な方をこの世からなくして、発展性のあるものやことへの投資&労働集約する方が国土発展に寄与することが一番の合理性なのかもしれません。しかし、そういう学者がいて、賞賛されることには私は大きな違和感を感じます。認知症の方のとりとめもない話を何時間でも聞くこと、衰えいく方の生活に潤いを与える時間を提供すること。その方のなんでもない日常に、プロの知能を生かしたナラティブと準備に時間をかけること。一見非生産的に見えるこの業務こそ「合理的な活動」と言わず、何が合理的なのでしょうか。それを削ぎ落としてやる介護は一方通行の自己満足介護でしかありません。
しかし、そうはいっても、OECD加盟国の中での日本は「労働生産性」という視点で、就業1時間当たり付加価値は、49.9ドル(5,006円)。 OECD加盟38カ国中27位とのこと。対する米国は85.0ドル(8,534円)。(参考:公益財団法人日本生産性本部2022より)
人口減少下での日本での労働力に無駄をこれ以上は生むわけにはいきません。さらに、そうでなくても非合理と言われる介護労働者のそれが行き過ぎると、少人数の介護労働者の時間の拘束による「過剰労働」に直結する可能性もあることも事実です。今一度、「介護の合理的とは?」と見直しも必要とは感じています。介護の非合理性を日本の文化と早合点して改善することをしないままでは「世界の介護サービス先進国日本」としての信用も高まらないでしょう。その視点をぶらさずに「新しい合理的な日本の介護」をAIやデジタル技術を通して発見していくことが事業所には求められていくと私は確信しています。(週刊NY生活905号 2023/3/18より抜粋)
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要介護1の父の軽い介護から一転、その後の死後整理の段階に入って早1か月。日本の介護事情を私自身が肌身に染みている辛さを皆様に情報共有させていただきます。これは傍観するコンサルではなく、動くコンサルの主観でもあります。今回は「相続」の件です。兄妹二人で話し合った結果。それは「放棄」という決定をしました。「世話好き」が高じて商売の延長線上でたくさんの保証人になっていることが判明。その額と督促状はちょっとした家屋が建つほどで、その書類の量も膨大で驚愕するほどでした。身震いして、その手続きに入りました。すぐに家庭裁判所に行き、話を聞いたら「こりゃ簡単」と思い、しかも、豆知識で、できるだけ早めに父名義の金融機関口座凍結し、出入金を止める。ただし、入ってくる予定の補助金や年金は父名義から私個人へ同時に切り替える。その後は、家庭裁判所に①申述書、②父(被相続人)の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本戸籍等全部事項証明書、③被相続人の住民票除票又は戸籍附票、④相続人(申述人:私)の戸籍謄本」の特に②〜④を取り寄せたら、父の在住の管轄裁判所へ郵送で送れば、2週間で審理許可されれば、「受理通知書」という名称の紙が私の自宅に届きます(これ絶対無くしてはいけないやつ)。このコピーを債権者に10月中にFAXか郵送で連絡したところ、それまでの膨大な量の督促状が、ピタッと止みました。「あっけない、これで終わり?安心」と思っていたところ、次は、ここからが相続放棄の本当のお仕事ですと法テラスで確認。実は債務は父と子だけではなく、債務が父の兄弟姉妹、その子供(私からみていとこ)まで及ぶため、債権者は督促をする権利があるというのです。父の兄弟姉妹は姉(101歳:私からみて叔母)と、その子(私からみていとこ)にまとめて4種の書類を取り寄せるための「委任状」を取ることにしました。ただし、父のことで101歳の叔母にもいとこにもご足労や手間、戸籍を取る手数料等をかけさせることは最小限にしたいために家庭裁判所に再び行ってみました。そこでショックなことが起きました。父が戦中生まれだったこともあり、私にはいとこが総勢20人以上すべてに該当することが判明したのです。しかも、4種の書類に加え、さらにもう2−3種類がいるとのこと。いとこの戸籍と、既に亡くなっている親であればその親が戸籍除票、その上の親(わたしからみて祖母)の除票まで要るという手間と書類作成の量。しかも、この件をいとこらに通知依頼した瞬間から3か月以内に手続き完了させなければ特別な理由がない限り債務が継続するという早急性もあり、泣きそうになって司法書士にすがると「しかたないですね。1件4万円でどうですか?」とのこと。もう!80万かかるくらいなら全部自分でするわい!(←今ここ)このコラムをご覧いただいている司法書士の方、これであっています?(週刊NY生活プレス2022.11から抜粋)

