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  1. 西村栄一 コムスン事件を振り返る

西村栄一 コムスン事件を振り返る

2016/07/19

10年以上前の、もう歴史の一つとして風化されてしまいがちですが、介護業界を大きく揺るがした大事件がありました。いわゆる「コムスン事件」。当時、コムスンに在籍し、環状関西副支社長の立場で、各方面の対応にあたっていた私が、今思うことです。



当社の法令遵守の原点はコムスンにあります。

人はなぜ働くのか?子供のため、親のため、仲間のため。必ず、お金だけでなく、自分以外の誰かの役に立ちたい、社会にその存在の価値が少しでもあり続けたい。そう思うものです。

かつて私がいたコムスンもそうでした。決して「お金のため」「ライバルを蹴落とすため」「不正のため」存在したのではなかったはずです。少なくとも、私の周りのコムスン同僚は朝も暗いうちから利用者のため、家族のため、自分を後回しにしてまでも夜中も、休日もなしに24時間365日、「誰かのために」働いていました。

コムスンのグループ理念の一つに今となっては虚しいかな「正しくないことをするな。常に正しい方を選べ」というものがあります。また、書面化こそされてなくても物事の判断基準として「モラルなきものは去れ」とさえ言われていました。

なのに、なぜ?

 



悪いことをする人の4つの種類

悪いことをする人には4つの種類があります。

1. わざと悪いことをする人。

2. 正しいことをしているつもりが自ら悪いことだと後で気づく人。

3. 仕事に没頭しすぎて、第三者に咎められてからわるいことだと気づく人。

4. 第三者が咎めても頑なに正しいことだと価値観が違う人。

コムスンの場合、「上の人間が悪かった」と片付けてしまうのは早計です。少なくとも介護の現場の職員では2や3でした。実は、上の人間である本部も2、3だったのです(衝撃発言)。10年前の今日2007年6月6日の「指定更新の停止処分」時も、既に「改善」に向けて社内改革が8割は進み、さらに百パーセントに向けて自浄の真っ最中でした。しかし、メディアというガリバーの破壊力を私は10年前の今日初めて実感させられたのです。

どうすごいのか?

 



メディアは事実をどこまで伝えてきたのか?

当時の世の中の空気は、コムスン=「4. 第三者が咎めても頑なに正しいことだと価値観が違う集団」という烙印が押されていました。つまり「スケープゴート」になってしまったということでしょうか。これを機に私のメディア観が大きく変わりました。メディアは確かに事実を伝えるツールではあるが、でも、その半分は事実でも半分は視聴者読者を楽しませるエンタテイメントなんだと。

一斉にコムスン事件が取り上げられた時、初めは「擁護論」も出ていました。生放送のコメントで「コムスン発祥は元々は九州で夜中や早朝の介護ニーズに対応モデルで始まった利用者発生型の24時間訪問介護で一生懸命やってきた会社。さらに福祉の少ない村でもコムスンは赤字覚悟で出店している。今この流れを止めてはいけない。コムスンを業界から退場させてはいけない」という言葉を聞いた時は涙が出そうになりました。けど、メディアは、そういう擁護論を一斉に封じ、そこから先の報道から擁護者は消えました。「コムスンを叩くものは正義」という喝采があるようでした。私はそんな報道を横目に現場で相変わらず「誰かのために」という気持ちで、その瞬間も利用者や家族のためにサービスを続けている愚直な職員を前にして、報道の「正義の仮面」こそ「悪」に見えてきたのです。世の中がみんな「敵」に見えていた時期です。(当時ご迷惑をお掛けした社内外の皆様申し訳ございませんでした)

もちろん、悪いことをしている人に当てはまる人も上にはいたかもしれません。私もそうだったでしょう。でも、現場で働くコムスンの職員はコムスンがどうこういう前に「自分たちが今までやってきたこと」の取り返しと、本気の改善に一生懸命でした。

 



事件の渦中にいた立場の人間として伝えたいこと

私は、当社ヘルプズ・アンド・カンパニーは「人間は、元々悪いことをするために仕事をするわけではない、理念ないままに生きているわけではない」「やっていることはゼロではない」と信じています。でも、「気づいたら悪いことをしていた」「元々そういうつもりではなかった」という贖罪の意識の強い方々にも、差し出がましいかもしれませんが、闇に射す「一筋の光」となって「復活のチャンス」が見つかるように導いていきたいと思っております。

これが当社の、私の「原点」です。

 私が「導けない」と判断した人は、「誰かのためでない人」「諦めた人」「お金のためな人」だけです。それ以外の方々は是非ともお力添えできればと心から思っております。

また、事件の渦中にいた立場の人間であったからこそ伝えたいこと。

「介護で世界を変えよう」「介護で革命を起こそう」と思わないこと。まずは革命の前に目の前の利用者様、家族様、事業経営者は、そう思ってますか?「革命してほしい」なんて、あなたには望んでいないはずです。まずはどんな高齢者でも認知症の方でも、身体中が管に繋がれた人だって「こんな自分でも価値ある人間だって思われたい」「何でもいいから人の役に立ちたい」その支援をすることが大事なのではないでしょうか。介護で世の中を変えるより、足元を見失わないことと痛感するようになりました。それが、世の中から与えられた「福祉人の使命」だと思います。

と言いながらも、 私は、コムスンのそれよりずっと前から隠しきれない生まれ持っての性質「他人と違ったことがしたい」「世の中をあっと言わせたい」は相変わらず、仕事に直結せずとも、いつまでもワクワクすることをしていたい。それがたまたま福祉のお役に立てればなと思ってます。



コムスンの誓い 企業理念

私達は、一人でも多くの高齢者の尊厳と自立を守り、お客様第一主義に徹します。

私達は、明るい笑顔、愛する心、感謝の気持ちを大切にします。

私達は、常にサービスマインドを心がけ、真心を込めて介護を行います。

私達は、責任を持ってお客様のプライバシーを守ります。




当時の業績

訪問介護顧客数: - 67,440人(業界最大手 2007年5月現在)

拠点規模:2061拠点/タクシー 367台/グループホーム 178か所(業界最大手)/有料老人ホーム 30

累積損失:230億円

経常損益:在宅-21億円赤字、施設-14億円黒字。

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